2007/11/07

必要性は認識しているのに、進まない公務員のIT人材育成

 地方経済の低迷による税収の急減、高齢化による福祉関連予算需要の急増、中央政府からの交付金の削減など、現在、自治体が直面している現実は厳しいものである。そのうえ、いわゆる団塊世帯の退職ラッシュにより、自治体内部で業務知識に熟練している公務員が急激に減っていく。このような状況の中、行政業務の効率化、コスト削減、そして住民の行政サービス向上のために、これまで以上に電子自治体の成果が問われることになる。

 このような電子自治体への要望を実現するには、ITに関して優れた能力を持ち、ITを行政改革のツールとして使いこなせる優秀な公務員の確保こそが、重要な課題であると言える。

 筆者がこれまで情報化のコンサルティング業務などで自治体に接してきたが、日本の自治体職員のIT教育には物足りなさを感じる。そもそも公務員は ITの専門家ではないのだから、自ら進んで勉強しない限り情報システムに関する知識を身につけることは不可能に近い。きちんと知識を身につけないで、IT で商売をしている賢いベンダーと闘いながら、最適な電子政府・電子自治体を企画、立案し、推進していけると思っているのであれば、それはまったくの無知の産物であると言わざるを得ない。また、努力を重ねてある程度の情報技術を身につけたとしても、たび重なる人事異動により、せっかく培った能力を生かせる機会も失ってしまうのが現実であった。

 電子自治体推進への主役である、自治体職員のITリテラシーを向上し、未来志向の電子自治体を構築するためには、公務員のIT教育や職制そのものを変えて行かなければならない。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070620/275315/?ST=govtech
より。

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