2008/03/16

”また、Kurzweil氏は「新たな道具はまた新たな道具を生み出し、新たな技術はさらに新たな技術を生み出す」と、人類の活動が持つ自己触媒的な側面にも注目する。コンピューターの例を見ても、パーソナル化し、ネットワーク化された結果、本質的により多くの知能が参加できるようになり、それが新たな発見を生むという「パラダイムシフト」が起きている。

パラダイムシフトによるブレイクスルーを示すグラフ。進歩は短期的には限界に近づき鈍化するが、根本的な革新が起こり限界を突破していくというモデルだ
 現在ではムーアの法則が守られない可能性が危惧されているが、しかしKurzweil氏は、「すでに三次元の集積回路研究が進んでおり、いずれ本格的な応用が始まり、限界は克服される」と全く悲観視しておらず、あくまでマクロな視点で技術発展を見ているようだ。

 継続的な発展の結果、コンピューティングパワーはより広範な分野で活用されるようになったし、これからもなっていく。エンターテイメント、コミュニケーション、そしてナノテク、生体工学、遺伝子工学など、影響は精神的、肉体的な世界にも及ぶ。それを前提に、Kurzweil氏が予測する未来は本当にとてつもない世界だ。

 「脳の解析は今後20年のうちに完了し、コンピューターは真のチューリングテストをパスし、人間と区別のつかないAIが登場する」というくだりもあり、完全なる人工知能の出現をも予言した。また、バーチャルワールドの人格が人々の「プライマリーな人格」となり、肉体にとらわれた部分は「セカンダリーな人格」になるだろうと、コミュニケーション分野のパラダイムシフトを予言した。”

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