2008/03/29

 ”*助言

 30年間、朝日新聞社で記者、雑誌編集長を務め、キャスターに転身した。活字の世界にない気遣いもあった。後任キャスター、共同通信社の前編集局長、後藤謙次さんにこう助言した。

 「テレビは軽率で不完全なメディアだから、家で奥さんと反省会をやるのはやめなさい、とね。僕は毎晩、自己嫌悪でした。原稿ってのは、へたくそでも活字になると、まあ自己満足できるでしょ。でも、テレビは見るたびに自己嫌悪でね。ボディーランゲージが大きなウエートを占めるし。『なんであんなことを言ったのか』というのがストレスになってね」

 「僕がキャスターを始めたころ、朝日新聞では、テレビは下賤(げせん)なメディアで一度さわったら体が腐る、とさえ言われた」。それでも、テレビに移ったのは、新聞に限界を感じていたからだ。「何百万も部数があるから、書いたものが相手に届くと思っていた。でも、ある時気づいたのは、ほとんど何も届かない。特に国際報道は、どんなに大変な思いをしても何も届かない。多くの人に届けるには、テレビが手っ取り早いと気づいたんです」 ”
http://mainichi.jp/select/jiken/graph/20071127/

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