2008/03/24

”10年ほど前、米ネブラスカ州オマハで開かれたバークシャーの株主総会に顔を出し、バフェット氏にインタビューしたことがある。その時、同氏は「日本企業を理解しようとすると、時々、株主資本利益率(ROE)の低さに困惑する。会計処理などの違いが原因であれば納得できるが、現実に5%程度のROE が何年も続くのであれば、最終的に投資としては失敗する」と語った。その後、近年は改善傾向にあるとはいえ、依然として日本企業のROEは1ケタ台にとどまり、17~18%の欧米企業と比べ大きく見劣りしている。

 そのうえ、過去数年は村上ファンドやライブドア、米スティール・パートナーズなどの登場で、経営者の間で「行き過ぎた株主主権」への批判が渦巻いた。欧米企業並みのROEを達成し「行き過ぎた株主主権」と言うのならば理解が得られるかもしれないが、先進国で最低レベルのROEに甘んじていながら「行き過ぎた株主主権」を口にするようでは、バフェット流のオーナー意識を持った経営を実践しているとは言えないだろう。

オーナー意識の欠如がもたらす貧しさ

 オーナー意識を持った経営とはどんな経営か。バフェット氏は得意の比喩で、2003年版のバークシャー株主向けの手紙の中で「いったいレンタカーを洗車する人なんているでしょうか?」と疑問を投げかけたことがある。意味するところは、「オーナーならば喜んで洗車するだろうけれども、だれもレンタカーを洗車しようとは思わないでしょう」である。オーナー意識があれば、経営者は株主から預かった資産(つまり会社の財産)を大切に使おうとするから、漫然と手元に置いておいたり、採算無視で新規事業を始めたりすることもない、というわけだ。 ”http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080313/149981/?P=2

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