2007/12/20

INTERNET WATCHより。

ウィキペディアの記事を執筆して善意でオンライン百科事典を維持したり、YouTubeにアップされる動画に対して検索しやすいようにわざわざタグを付ける。あるいは、Q&Aサイトに投稿された質問に対して赤の他人が懇切丁寧な回答を寄せたり、Amazonにカスタマーレビューを書き、商品のレーティングを付けたりして、どのCDがお薦めなのかを教えてくれる──。このように、Webにおいて何時間も「無償の奉仕」をする人が、国内に合計 2,239万人いるとの推計を野村総合研究所(NRI)が発表した。

 これは、東洋経済新報社から12月20日に発売される書籍「これから情報・通信市場で何が起こるのか~IT市場ナビゲーター2008年版~」で掲載している研究結果だ。19日に行なわれた報道関係者向けの説明会で、NRI情報・通信コンサルティング部の主任コンサルタントである小林慎和氏が、このような「ボランタリーWebユーザー」の無償奉仕の経済規模などを説明した。

 小林氏は、ボランタリーWebユーザーの特性によって、「Creator」「Editor」「Valuer」の3タイプに分類する。 Creatorは、ブログやSNS、ウィキペディアへの記事をはじめ、YouTubeやニコニコ動画の動画、Q&Aサイトの回答など、さまざまなコンテンツを無償で創造し、Webにアップロードする人々のこと。Editorは、Q&Aサイトで質問を投稿したり、ブログにトラックバックしたり、動画にタグ情報を付加するなど、Web上の無秩序な情報を無償で関連づけする人々。Valuerは、カスタマーレビューを書いたり、製品やサービスのクチコミを投稿したり、ソーシャルブックマークを公開することで、Web上のさまざまな情報の価値を無償で判定する人々だ。 ・・・・・
小林氏は、拡大するボランタリーWeb社会に消費者が向き合うためには、「一般常識として『情報耐性力』を持つことが重要になってくる」と指摘する。同調査では、ボランタリーWebユーザーの約5割が何らかの誹謗・中傷を受けたことがあり、立ち直れないコメントによって、もう活動できない人も出てくるという。誰もが情報を発信できるということは、同時に、すべての情報は評価・批評されるということであり、「誰からも中傷される可能性がある」。情報耐性力とは、否定的なコメントに対して耐性を持つ力という意味だ。

 ボランタリーWeb社会ではまた、「情報をどのように使うかという『情報構成力』も求められる」。これまでは、いかに知識を詰め込み、それをいつでも出せるかで差別化されたが、今後は、インターネット上の情報をいかにして引き出せるかという、活用力と判断力で差別化が行なわれるとした。http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/12/19/17944.html

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