2008/06/12


”Bob Moog氏が開発したシンセサイザー[鍵盤楽器をベースにした電子楽器]とエフェクターは、音楽の世界を変えた。彼の名前を冠する会社は今回、別の楽器に同じ方法論を当てはめることを試みている。その楽器とは、ギターだ。

米Moog Music社の『The Moog Guitar - The Paul Vo Collector Edition』は、サステイン・モードを選択すると、弦を鳴らした音が果てしなく長く持続する。ギタリストのナイジェル・タフネル[「半分架空」のヘビーメタルバンドに関する、カルト的な人気のあるドキュメンタリー風映画『スパイナル・タップ』の登場人物]が、ギターを顔の高さまで持ち上げるパフォーマンスを延々と続けても、最後までずっと音が途切れないだろう。

ミュート・モードを選択した場合は、弦をかき鳴らしてバンジョーのような音を出してから、指板上の弦を指で押さえたり離したりするタッピング奏法ができる。ネックとブリッジにそれぞれ備え付けられたピックアップは、個別にエフェクトの操作が可能で、これにより演奏者は多様な音色を作り出すことができる。

このギターの秘密の味付けは、「Moog製ピックアップと組み合わせるために特別に冶金された」弦だ、と同社のマーケティング担当マネージャーを務めるChris Stack氏は、ワイアード・ブログ『Listening Post』の取材に応えて説明した。「ピックアップは、弦の音を拾いながら、同時に弦[の振動]を制御している」

われわれがMoog社に関するニュースを最後に聞いたのは2006年で、このとき同社はシンセサイザー『Little Phatty』を売り出した。これは、簡単に言えばMoogシンセの現代化バージョンで、Moogの代名詞とも言うべきアナログ・キーボードを、デジタル制御の楽器に作り替えたものだ。

今回のギターは、非常に大きな飛躍をMoog社にもたらすだろう。おそらくそれは、Moog氏が1977年に同社を興して以来の飛躍になるはずだ。

上の動画では、ルー・リード[元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド]、ヴァーノン・リード(リヴィング・カラー)などのミュージシャンがMoog Guitarを試奏していて、この6500ドルの楽器が奏でる至福のサウンドを聴かせてくれる。”
http://wiredvision.jp/news/200806/2008061222.html

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