2007/10/18

レアメタル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レアメタル(希少金属)は非鉄金属のうち、産業上様々な理由から利用できる量が少なく、希少な金属のこと。レアメタルは非鉄金属全体を呼ぶ場合もあるが、狭義ではベースメタル(メジャーメタルとも。銅、亜鉛、アルミニウムなど)や貴金属(金、銀)以外で、産業に利用されている非鉄金属を指す。


価格

 ベースメタルや貴金属は世界の主要な商品取引所(ロンドン金属取引所やニューヨーク商業取引所など)で日々売買され価格の透明性を確保されている一方、ほとんどのレアメタルは利用量や価格の問題から一定の取引高を期待できないため、商品取引所に上場していない。代わりに、経済紙や金属専門雑誌の発表価格が取引の指標として用いられており、取引の透明性に乏しい。

レアメタルが希少な理由は、

・地球上の存在量が少なく採掘のコストが高い
・単体として取り出すことが技術的に困難
・金属の特性から製錬のコストが高い
といった点があげられている。

 この他の理由として、過去金属の取引価格が低く抑制されてきたことが挙げられる。仮に、レアメタルが金やプラチナ並みに高騰を続けた場合、様々な鉱石に僅かに含まれるレアメタルを抽出、製錬することで採算が取れるため採掘量は拡大していただろう。また、製錬のための研究開発費をまとまった額で投入できるようになれば、単体で抽出できる可能性が増大しただろう。

 レアメタルは1~3の理由のほか、用途が限られているため特定の産業でしか用いられなかったり、他の金属に代替できたり、価格高騰時には国家レベルで抑制策が打たれたり、などといった様々な制約から価格の高騰が抑制され、取引量が拡大しない点で希少性を保ってきた。

 しかし近年ではレアメタルの枯渇が大きな問題になりつつある。いくつかのレアメタルは、すでに10年以内に枯渇することが明らかになっており、その他のほとんどのレアメタルも数十年以内に枯渇が予想されている。そのため近年は価格の高騰が起こっており、2002年から2007年の5年間でニッケルの価格が8倍になった他、モリブデンやレアアースなど多くの物質で価格が数倍に上がっている。

 レアメタルはほとんどの製造業で不可欠な素材である。半導体産業ではタングステンやモリブデン、ニッケル等が必須の素材であるし、自動車産業では白金やパラジウム等がなければ排ガス規制をクリアできる自動車を製造できないと言われている。携帯電話や家電製品など廃棄物からの抽出によるリサイクルも行われている。

                 これ義務教育に盛り込まれてないんじゃ?

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