2007/10/29

ドラッカーが予測した時代の終焉

 冷戦時代には、途上国には世界的大企業はほとんどありませんでした。89年に、ピーター・ドラッカーはソ連邦崩壊を予言した名著『新しい現実』を書きました。

 その中でドラッカーは、世界規模のスーパー企業は米国、日本、ドイツ、英国の4カ国からしか生まれないと書きました。途上国は先進国に追いつけない、南北格差はなくならない、というのがその頃の常識でした。

 今、株式時価総額で見て、世界最大の銀行は中国工商銀行です。世界最大の携帯電話会社はチャイナモバイル(中国移動通信集団公司)であり、電話会社はチャイナテレコム(中国電信集団公司)です。

 世界最大の鉄鋼会社はインド人が作ったアセロール・ミタルという多国籍企業です。規模だけではありません。インドには、インフォシス・テクノロジーズやランバクシー・ラボラトリーズといった先進的なビジネスモデルを持つ企業やICICI銀行のような革新的な銀行、リライアンスやタタといったかつての三菱や三井のような大胆でスケールの大きな財閥企業があります。

 世界の家電ナンバーワンは今や韓国のサムスン電子です。小型航空機の分野で世界第2の会社はブラジルのエンブラエルです。今や、新興国から世界企業がいっぱい生まれています。

 地殻変動は中国から始まりました。89年の天安門事件で欧米や日本から経済制裁を受け、世界から孤立したトウ小平の中国は大転換を行いました。それまでの、日本に学び国営企業を改革して米国に輸出できる中国企業を作る、という方針を捨てました。

以下、http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071024/138436/?P=3

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