2008/04/23


”情報通信の理論と技術分野の受賞者であるサーフ博士とカーン博士の両氏は、インターネットの基盤技術である通信プロトコル「TCP/IP」を共同研究し、普及活動に努めた人物。インターネット概念の創成とその進展を推進し、現代の文化・社会の変革と発展に決定的な役割を果たした業績が称えられた。
ヴィントン・サーフ博士 情報通信の理論と技術分野の受賞者であるサーフ博士

 受賞にあたり、サーフ博士はこれまでの道のりを振り返るともに、「現在では惑星間通信についても研究している」と、最先端での研究についても語った。カーン博士は、「我々がこの分野について研究を始めたころは、ほかに同じ分野を研究する人は少なかったが、サーフ氏とともに社会に寄与したいと考えていた。政府から資金を得たあとは、その研究成果をいかに政府から社会に普及させていくかということに努めてきた」とし、さらに「ネットワーク社会は、今後も進化していくだろう。われわれが目にしているまだまだ初期段階で、氷山の一角である」とした。

 これを受けた質疑応答において、ネットの将来についての予測を求められたカーン博士は「具体的な予見は避けるが、ネットワークにより、均質化が進みつつある中、多様な意見や文化を維持していくことが必要になっていくだろう」と答えた。

 サーフ博士は、「我々は種々の情報をビットに残し、それをあらゆる場所から探し出すことができるようになったが、100年後、1000年後といった未来においても、その情報の意味を解釈する能力も同時に保持していかなければならない。今使用しているソフトで内容を見ることができても、100年後もそうとは限らないからだ」と情報社会の未来への課題を挙げた。カーン博士はまた、「この問題の解決策として、ハードウェアの保持、フォーマットのオープン化などが考えられるが、どれもまだ決め手がない。これから十分な研究が必要な課題である」とした。”

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