2008/10/14

"弾言 成功する人生とバランスシートの使い方


まずヒトについて。
ヒトとは時間という有限資源を、自らのルールにおいて自分自身の価値を高めていく存在であると定義しています。その意味において、時間当たりいくらというような働き方はモノ扱いされているだけであり、正社員であろうがフリーターであろうが変わらないという認識です。実際にオイラも、たとえ正社員だろうと他者と代替可能な仕事をしている限りはいずれは外国人や機械に置き換えられるものであると考えています。自分しかできないものでなければヒトとしての価値は向上しない、そのためには自分自身について探求する時間が必要であって、残業やらテレビやら飲み会やら無目的に過ぎていく時間を極小化しなければいけません。


次にカネについて。
カネとは目に見える金=マネーのみならず、自らの思考や行動に関する利益とコストを定量化する考え方を指します。このカネが多い方が人生の自由度が増し、多くの選択肢のなかから最適な解を選ぶことが可能となります。もちろん現金などの資産があるに越したことはないのですが、それよりもどんな状況でも稼げる能力と最低限のコストで生きていける生活能力を重視するべき時代に突入しています。カネはあくまで様々なヒトやモノと交換可能なツールであって、目的にはならないというわけです。


最後にモノについて。
モノは有限であり、墓場には持っていけません。なのに人間はマイホームやブランド品など、モノに執着する傾向があり、自然から資源を搾取した上で欲望を満たしています。その結果、環境エネルギー問題が顕在化しているわけですが、それら諸問題はルールを変えることによって解決すると説きます。実際に資源のエントロピーが増大することによって廃棄物となるのですが、エントロピーはエネルギーによって下げることができます。つまり、エネルギー問題さえクリアすれば従属的に様々な環境問題が解決していくと考えられます。


これらの独特の視点から、近未来的な見通しが浮かんできます。ベーシックインカムによる必要最低限な社会保障と、適正な富の再配分による若年層チャレンジの醸成、太陽エネルギーの開発による持続可能な社会という仕組みづくりが見えてきます。その上で人間が自分らしく時間を過ごし、ヒトとヒトのネットワークが拡大していく世の中が近い将来に実現するのではないかという希望が持てます。


小飼弾氏のブログと同じくサラッと読み流せる内容でありながら、あるきっかけで気づいた瞬間に読み返せる「弾言」の数々、特に若い人たちには本棚に置いておいてもらいたい内容ですね。



第1章 ヒトpart1—自分の価値を「見える化」してレベルアップ
  (自分で打てる手はいくらでもある 暮らしがキツいのは、モノ扱いされているから ほか)
第2章 カネ—相互理解のツールとして戦略的に使いこなす
  (カネの誕生 カネは相互理解のためのツール ほか)
第3章 ヒトpart2—ネットワークにおける自分の価値をアップする
  (コネの価値はいくら? コネを「見える化」するのが会社 ほか)
第4章 モノ—「本当は所有できない」ということを理解する
  (増やせないのがモノ 石油がなくても自然破壊は起こる ほか)"
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=3557

http://blog.livedoor.jp/dankogai/

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