2008/08/29

"米軍はマインド・コントロール研究(日本語版記事)にうつつを抜かすだけでは物足りないとでもいうのか、オンラインで自ら学習していく人工知能の開発にも興味を持っているようだ。

軍の委託を受けた米国学術研究会議による、認知神経科学の新規分野についての報告書は次のように述べている――人工知能にはさまざまなタイプが考えられるが、「もっとも革新的なのは、インターネットを自己の訓練に用いるインテリジェントなマシン」だろうと。

オンラインにはあれほど多くの情報があり、しかも絶えず更新されているのだから、「人間のように推論を行なうシステムが実現すれば、その能力を際限なく伸ばしていける」というのだ。

米国防総省の中には、『ターミネーター』を見たことがある人はいないのだろうか? これは、『ターミネーター』に登場するコンピューター「スカイネット」でなくて何だろう?

自我を備え、他者に依存しない人工知能が、二酸化炭素を吐き出すばかりの人間たちを、自らの存亡に関わる脅威と見なさないはずがあるだろうか?

確かにそれは極論だけれど、人間よりすぐれた人工知能が、軍の手によってインターネット上に解き放たれると考えたら、漠然とした不安を抱かないだろうか?

幸い、論文の執筆者たちはこう書き添えている。「この目的を達成するためのさまざまなプロジェクトは、規模の大小を問わず、今のところどれも成功していない」――おそらくそれは、生体の知能がわれわれにとって、きわめて謎に満ちたものであるおかげだろう。

全米アカデミー出版局で公開されている刊行物『認知神経科学とその関連技術』を参照した。

[米国防総省の国防高等研究計画庁(DARPA)は2004年、文章を読解でき、推論ができる人工知能の開発のための助成を開始した(日本語版記事)。非構造化データ分析がビジネスの世界でも使われ始めていることについての日本語版記事はこちら。

必ずしも明確ではない条件でも、人工知能が問題を理解し意志決定を下せるようにする上での鍵となる「ベイズ理論」についての日本語版記事はこちら。

各国の言語を分析し、自律的に文法規則を推論するアルゴリズムについての日本語版記事はこちら。文章の特徴を分析して個人を特定するプログラムについての日本語版記事はこちら。

無数のウェブサーファーの知力を活用して、人間にきわめて近い思考のしかたをコンピューターに習得させようという人工知能プロジェクトについての日本語版記事はこちら]"
http://wiredvision.jp/news/200808/2008082721.html

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