2009/05/20


  思へばこの世は常の住み家にあらず
 草葉に置く白露水に宿る月よりなほあやし
金谷に花を詠じ榮花は先立つて無常の風に誘はるる
南楼の月を弄ぶ輩も月に先立つて有為の雲にかくれり
 人間五十年化天のうちを比ぶれば夢幻の如くなり
 一度生を享け、滅せぬもののあるべきか

これを菩提の種と思ひ定めざらんは口惜しかりき次第ぞ

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